comicbird’s blog

備忘録として我が家所蔵の漫画を全て記録しておこうと思いつき、始めました。

動物のお医者さん11 佐々木倫子氏

第一話:蟹とミケ

  あらすじ;主人公ハムテル宅に、友人二階堂が毛蟹を持って来た。ミケは蟹に嫌な思い出があるようだ。チョビの養育係を押し付けられていた頃、ハムテルの祖母が苦労してほじった蟹の身を横取りしたとして引っ叩かれたのだ。しかし祖母も現場を見たわけではなく、いつまで経っても帰って来ないため、ミケが家出をしたのではと心配になる。
 
 果たしてミケが蟹を食べたのか?二階堂の妹奈緒ちゃんの家出と絡めてお話は進みます。ミケは蟹食い、奈緒ちゃんは物損の疑いですが、何事も確証が無ければ決めつけるのは大変危険であると改めて感じた次第です。
 
第二話:ハムテル、母と共演
  あらすじ;本日はハムテルの母絹代氏が主役を演じるオペラ『トスカ』が上演される。予算無く、代役が必要になるなど大混乱の現場の中、ハムテルメンバー10人前後も舞台にエキストラで参加する。具体的な説明もないまま舞台はの幕は上がり、進行していく。
 
 今回動物は表紙のチョビ位で、マルっとオペラの舞台、表裏紹介となっています。動物とも病院ともほぼほぼ関係ありませんが、個人的に大好きなお話です。『トスカ』の内容だけではなく、華やかな舞台裏で繰り広げられるカオスなドタバタが余す所なく描かれている名作です。
 
第三話:ハムテルの初夢
  あらすじ;今年のハムテルの初夢は、ヒヨちゃんと鷹匠をする、というものだった。元々ヒヨちゃんが飼われたのは少年時代、ハムテルが鷹匠に憧れてのことである。道端の露店で60円。家に着いた時は死にかけたりもしたが丈夫に育ち、ハムテルはヒヨちゃんを立派な鷹狩にすべく日々訓練に励むのであった。
 
 ヒヨちゃんのこれまでが明らかとなります。昔は派手な色に染められるなど、ひよこにとっては過酷な状況でした。西根家に飼われたと言う意味ではヒヨちゃんは運が良かったのでしょう。そして、最初の頃はハムテルの言う事をきちんと聞くむしろ大人し目だったヒヨちゃん。何時今のヒヨちゃんに変貌を遂げたのか注目です。
 
第四話:今年も犬ぞり大会
  あらすじ;今年も参加の漆原教授。ウエイトプルで散々大会進行を遅らせ、6頭引きにも最終滑走でエントリーしている。更に6頭引きでは本場アラスカで訓練した犬で走ると言う。1番滑走のハムテルはコース整備ミスにより大分タイムをロスするも、途中コースに迷い込んだウエイトプルに出場した漆原教授の犬を凄まじいスピードで追いかけて一気に去年の優勝タイムと並ぶ。
 
 大会初出場から五位、三位と順位を上げたハムテルが今年狙うのは勿論優勝です。それに大きく立ちはだかるのはやはり漆原教授しかいません。本人の意図に関わらず、教授が動けば様々なトラブルや時々ミラクルが発生します。迷惑をかけるだけでは終わらないのが漆原教授の凄いところです。
 
第五話:ハムテルと二階堂に向いてる仕事
  あらすじ;ハムテル宅でのオヤツ時間中、菱沼氏がハムテルに開業に向けて修行する予定があるのか聞いたのをきっかけに、ハムテルと二階堂の進路の話になった。ハムテルを利用して甘い汁を啜ろうとする祖母は置いておいて、色々選択肢は上がってくるがどうも上手くこなせるイメージが湧かず、果たして自分達に向いている職業などあるのか不安になるハムテルと二階堂であった。
 
 獣医学部生の卒業後に就く可能性のある進路が紹介されています。動物と関わる要素は多そうですが、必ずしも獣医になると言う訳では無さそうです。普通に公務員の道もある事に驚いたものの、折角獣医師免許を取ったならやはり獣医関連の仕事に就くのが有意義なのだろうなと感じるお話でした。
 
第六話:ハムテルの修行
  あらすじ;主人公ハムテルが開業医の下で1ヶ月程獣医の修行をする事になった。漆原教授の紹介にも関わらず修行先の倉島医師は非の打ち所がない理想的な獣医であった。しかし菱沼氏なこの世に完璧な人間などいるのかと懐疑的だ。ハムテルも実は午前中は来なくて良いと言われている事が気になってはいたのである。
 
 漆原教授という極めて特殊な獣医の下で日々学んでいるハムテル達にとって、もっと一般的な獣医の世界を見たいのは至極真っ当な願いです。漆原教授に人選を委ねた時点でその希望が叶うのかは甚だ疑問ですが、何にせよ環境が変わるのは経験値をプラスするうえで素晴らしい事だと思われます。ハムテルにとっては間違いなく貴重な経験となるでしょう。
 
第七話:二階堂の従姉妹
  あらすじ;九州に住む二階堂の従姉妹、里穂氏が二階堂のいるH大獣医学部を受験した。二階堂は里穂氏の案内を頼まれ、試験終了後クラーク像で待ち合わせをした。しかし里穂氏には雪に埋もれたクラーク像を見つけることはできず合流出来なかった。仕方なく里穂氏は1人で構内見学をすべく彷徨い歩くこととなる。
 
 思いつきでH大獣医学部を受験した里穂氏。
受験させてくれる親の有り難さです。なかなか難しいのですが、里穂氏には是非自分の力量を把握するという能力を身に付けて頂きたいところです。待ち合わせの描写も時代を感じます。今ならスマホで一発です。牛糞まみれの犬、ジュリの出番もなかった事でしょう。
 
第八話:スナネズミと泥棒
  あらすじ;久しぶりにフクちゃんを見た夜、菱沼宅に泥棒が入った。しかし最近買い始めたスナネズミを始め、盗られたものは無いようだ。警察を呼び菱沼宅で待っている間、怪しい男を見たという同じアパートの女性住人によると、その人物は恐怖で何処かへ走り去ったようだ。
 
主人公ハムテルと友人二階堂、菱沼さん宅初訪問です。泥棒が入ろうが入るまいが変わらない散らかりように、女性のお宅訪問のドキドキや感慨などとは全く無縁となっております。流石佐々木氏!この頃になると最早菱沼さんの保護者的存在となっているハムテルと二階堂。このままずっと面倒を見る事になるのか気になる所です。
 
第九話:菅原教授の愛犬シャーリー
  あらすじ;4月、公園で狂犬病予防接種が行われていた。愛犬シャーリーを連れて行こうと散歩をしていた菅原教授夫妻だが、シャーリーが気づいてしまい、テコでも動かなくなった。公園の会場ではハムテル達が働いており、注射をしてもらいに来るよう公園を訪ねた所、注射を打っていた倉島医師がアクシデントで病院へ行ってしまい、ハムテル達を手伝う羽目になった。
 
 菅原教授の御家族初登場となります。家庭では大分奥様がお強いようです。そしてこのお話で、季節になると屋外で予防接種が行われる事も初めて知りました。愛犬シャーリーに振り回され、奥様に頭が上がらない菅原教授。それでも学生が困っていると自分の出来る事で精一杯手伝ってくれる菅原教授。彼もまた愛すべきキャラクターです。
 
第十話:お金の使い道
  あらすじ;何時もは煙たがられているのに、菅原教授に至急でと大学に呼ばれた菱沼氏。大学に着いてみると誰も彼も夢見心地だ。何と文部省から獣医学部に三億円支給されたと言う。使い道はかなり限定されているとは言え、万年貧乏に喘いでいた獣医学部に託された大金をどう使えば良いものか思案し始める面々であった。
 
 宝くじの例などがあるように、一般人が突然大金を持ったらとても平常心は保てません。長年貧乏に苦しんでいたら尚更でしょう。そう考えると、使い道が限定されるのは一旦頭を落ち着かせるには良かったかも知れません。目先の欲に囚われない全体を見通す力が欲しいものです。
 
making of 11
 今回は佐々木氏が着付けてもらった着物体験についてです。美容院などに頼む着付けはきっと畏まった着方なのでしょう。もっと普段使いの着方を教えてもらう機会があればなあと感じるお話でした。