comicbird’s blog

備忘録として我が家所蔵の漫画を全て記録しておこうと思いつき、始めました。

動物のお医者さん第8巻 佐々木倫子氏

第一話:チョビの赤ちゃん時代

  あらすじ;年下の従兄弟の結婚式出席時、地震の子供時代の黒歴史を散々聞かされた菱沼聖子氏が主人公ハムテル達に不満をぶちまけていたところ、漆原教授がハムテルの飼い犬チョビの赤ん坊時代を語り始める。チョビの目が開くまでの話を聞いた後、なぜか子供時代の失敗談を披露しなければならなくなった友人二階堂とハムテルであった。

 

 チョビの生まれたばかりの頃が紹介されています。第1巻でチョビが漆原教授の元へ来た経緯がありましたが、その後のお世話編となります。漆原教授がどのようにチョビのお世話をしていたのか明らかとなります。漆原教授がお世話するとなると、周りを巻き込まないわけがありません。誰が一番迷惑を被るか気になるところです。

 

第二話:チョビの子供時代

  あらすじ;主人公ハムテル達が帰り支度を始めるも、漆原教授によるチョビの離乳食時代へと話は続く。チョビの他に前回から母を亡くした子犬が3匹いるが、チョビはずば抜けて要領が悪い。他の3匹は早々に飼い主が決まり、チョビは当然の如く売れ残る。やっと現れた希望者のマダムも漆原教授にはピンとこず、漆原教授は自分で買う決心をする。

 

 ハムテルとチョビの出会いまでのエピソードです。この頃から菱沼さんはいました。当時から菱沼さんのトロさは有名のようで、チョビも負けず劣らずトロかったということです。第1巻で般若と称された強面顔面に似つかわしくない天然抜けっぷりです。子犬という要素も加わり、可愛さ大爆発となっています。

 

第三話:漆原教授の運転

  あらすじ;主人公ハムテルと友人二階堂は自動車学校へ通うことにした。それを見た漆原教授は30年ぶりに運転する気になり、菅原教授の車を借りて菱沼聖子氏を助手に、大学校内で運転の練習を開始する。様々な方面に多大なる迷惑をかけつつ練習していたある日、駐車しようとした所、見知らぬバイクが置かれていた。どうやら高校生が無断で止めているらしい。

 

 漆原教授の運転練習を軸に、大学職員が校内秩序に対して行う活動を紹介しています。今回も漆原教授の無双ぶりが留まらず、高校生と小学生レベルの闘いを繰り広げていきます。漆原教授にトドメを刺される高校生が哀れで仕様がありません。高校生にはこの経験をバネに人格者へと成長して欲しいと願うばかりです。

 

第四話:チョビの海デビュー

  あらすじ;チョビが夏の暑さに参っていると、友人二階堂がチューブ式の子供用プールを持ってきてくれた。早速チョビを遊ばせると、夢中になりすぎて即爪で穴を開け、使い物にならなくなった。落ち込むチョビのために主人公ハムテルは、ミケも連れて海へやってきた。2匹には不評だったため帰ろうとしたところ、二階堂がハムテルが海で溺れた時、チョビはハムテルを助けるか検証したいと言い出す。

 

 もらったプールでは大喜びで水遊びをするチョビ。海はお好みではないようですが、水自体は好きそうです。しかし、得体の知れない初めてのものは大体警戒するものなので、ミケが海を気にいることはなさそうですが、チョビは回数を重ねれば確かに海遊びを気にいるかも知れません。

 

第五話:毛刈りの窓

  あらすじ;主人公ハムテルはある筋の人物が飼っているセントバーナードのナツコちゃんの血尿原因を調べるべく、超音波検査を試みていた。しかし毛刈りの位置を間違え、腎臓を見ることができない。マッチ箱サイズ以上は許されないはずが、いつしかパスポートサイズにまで拡大。さらにもたもたしているうちにナツコちゃんが飽きて暴れ始めてしまった。無事検査は成功するのだろうか。

 

 ハムテル達がいつの間にか患畜の検査などを当然のように行っていて、すっかり獣医らしくなっています。病院講座の学生の中でもベテラン枠になったハムテルと友人二階堂。順調に漆原教授の有能な助手となりつつあるようです。そして菱沼聖子氏はますます病院講座に入り浸るようになっており、加えて自由気ままな勤務状況を楽しんでいるようです。

 

第六話:菱沼さんの博士論文

  あらすじ;やっと完成した博士論文を3つ、雑誌に送って早4ヶ月の8月。残り1つの論文が未だ何の音沙汰もなくやきもきする菱沼氏。別の雑誌に論文を投稿した同僚神谷氏や主人公ハムテル達に不満を漏らしつつ、論文返信依頼の手紙を雑誌へ送る。数日後、神谷氏の論文が突き返される事態が発生した。

 

 以前から度々取り上げられていた菱沼さん博士論文編、一応完結となります。今回は応募後、どのような流れで論文が雑誌に掲載されるかがわかります。それぞれの担当者の性格などにより、論文の審査に通るのもなかなか一筋縄ではいかないようです。今ですとメールなどでスピーディーにやり取りができるのでしょうが、この頃はばりばりアナログです。本人たちは大変ですが、このようなもどかしさも味があるものです。

 

第七話:預かったセキセイインコ

  あらすじ;主人公ハムテルの祖母が知り合いから突然セキセイインコを3羽預かってきた。ハムテルは流石に今回は祖母に1人で世話をしてもらうべく念書を書かせる。一方祖母はインコが手乗りではなく、全く遊べないことにがっかりする。餌のやり忘れなどありながら、とりあえず三羽の名前と顔が一致した頃、その内の1羽ナルちゃんが吐いていた。何かの病気になったのか、結局調べるハメになるハムテルである。

 

 セキセイインコ3羽がゲストの回です。パイドがナルちゃん、オパーリンがけめこちゃん、ルチノーがピーちゃん、あたりでしょうか。流石、それぞれの柄の描き込みが丁寧です。特にオパーリンなどはきっちり描こうとすると大っ変です。果敢に挑んで描きあげてくださった佐々木氏に感謝です。

 

第八話:菱沼さんの猫事情

  あらすじ;最近菱沼聖子氏は、自宅近くに現れる猫ハナちゃんを敵視している。もう1匹菱沼氏と交流のある猫ニャオンが来なくなった原因をハナちゃんだと思い込んでいるようだ。とにかくニャオンと遊びたい菱沼氏は、主人公ハムテル宅の猫ミケを借りてニャオンの居場所を探そうとする。

 

 大抵の動物に嫌われる菱沼さんにとって比較的寛容に相手をしてくれるニャオンはとても貴重な存在です。どんな状況もずっと続くという保証は何もありません。ニャオンと今までのようには頻繁に会えなくなった菱沼さん。愛称は決して良くないと感じているハナちゃんと今後どう向き合っていくか気になるところです。

 

第九話:二階堂の鼠捕獲大作戦

  あらすじ;ハムテルの友人二階堂は家畜病院の医局員室でドブネズミを見つける。ハムテル達は罠を仕掛け鼠の駆除に成功するが、再び別の鼠が現れて今度はなかなか捕まらない。次々と鼠駆除に興味を無くしていく中、とても鼠と共存ができない二階堂はハムテルをどうにか繋ぎとめ、捕獲作戦を続ける。

 

 二階堂の鼠嫌い克服を試みる回となります。人には苦手なもの、嫌なものをどうにかしなければならない時が訪れたりします。大体の人は二進も三進もいかなくなるまで放っておきたいものだろうと思います。二階堂も例外ではありません。彼にはハムテルの助けを借りつつ是非ともいつか鼠を克服して、より素敵な獣医となって頂きたく思います。

 

Making of 8

 今回は少々趣向が変わり、昔の新聞記事をもとに21世紀に起こるはずの動物と人間の関係予言を描いています。動物と人間の自由な対話。いつか実現したら、世界はまた飛躍するような気がします。