comicbird’s blog

備忘録として我が家所蔵の漫画を全て記録しておこうと思いつき、始めました。

近未来不老不死伝説バンパイア弍 徳弘正也氏

VOL.9:結ばれる二人

  あらすじ;天使奥須殺害後の帰り道、マリアはここなら誰も見ていないと主張し、下水道で昇平と結ばれる。行為後マリアは事前に仕入れていた情報と大分違う股回りの痛みに襲われて地上に上がるも通常歩行くに支障をきたし、昇平におぶってもらい帰途につく。阿南将軍と小谷氏は自身達も逢瀬中に監視カメラによるマリアと昇平が結ばれる様子を確認し、阿南将軍はさらなる証拠映像を集める様小谷氏に指示する。

 

とうとうマリアの念願が叶います。マリアは下水道に監視カメラは無いであろうと思っており、昇平も監視カメラの可能性を無視した行動をとっています。が、当然の如くベストアングルで結合行為を撮れる程カメラの準備は完璧です。マリアはともかく、昇平がこの懸念を持たないのは気になる所です。マリアへの理性的な愛情と本能的な欲情の間で警戒が鈍ったのでしょうか。本能からくる欲望は本当に強敵です。

 

VOL.10:14天使たち

  あらすじ;マリア会一般信者向け集会の裏で、残り14人の天使達が集まっていた。智天使平山氏を中心に、昇平に天使を殺害させている小谷氏も混ざっている。平山氏は殺害の犯人は昇平とマリアである事を伝え、他の天使達に動揺が走る。混乱の中、天使達はマリアが日常生活を続けられるのは原理派天使が革新派軍首脳から守っているからだと憤り始め、最終的にはマリアが襲ってくるなら抹殺すべしとの結論に達する。

 

 今回で小谷氏は故意に昇平に偽の情報を流しており、昇平は手の平の上でいい様に転がされている事がわかります。前回の下水道監視カメラの存在は天使側に知らされていず、現状では阿南将軍有利の様です。更に今回は刺激的で残酷なイベントを催して大衆を釘付けにしておき、裏ではドロドロの権力争いや騙し合いを繰り広げるという遥か昔から繰り返されてきた組織権力の歴史あるあるが描かれています。

 

VOL.11:陰謀の中のマリア

  あらすじ;小谷氏から天使達の様子を聞いた阿南将軍はマリアを生きながらにして利用する為、天使達にマリアを殺させない様小谷氏に指示する。一方一度交わりを持ったマリアと昇平は監視カメラだらけの家の中でいかにマリア会に決定的な証拠を撮らせずに交わりを持つか、自身の欲望と必死に戦いつつ模索を続ける。阿南将軍と小谷氏はその様子を見続けていた。

 

 冒頭の小谷氏とのやり取りで阿南将軍の能力の高さが伺えます。全体を見通す視点と客観的分析能力に基づく判断も説得力があります。世知辛い世の中で成功するには不可欠要素となってきます。高い才能を持っていても才能に合った環境を見つけ、行動しなければ宝の持ち腐れとなってしまうのが悲しい所です。阿南将軍は良くも悪くも成功した人と言えます。一方マリアと結ばれた昇平はテレパシー能力が一部戻って来ます。これからが楽しみです。

 

VOL.12:三人目の暗殺 3人の天使

  あらすじ;ある山深い洋館に昇平が小谷氏に原理派天使として紹介された3人の本体がいた。人知れず隔離されている3人は心が壊れている。3人のホログラムは小谷氏と共にBAR&CAFE蝙蝠で昇平を笑顔で迎え、奥須殺害を祝福する。そして小谷氏は三人目のターゲットに天使遠山恒吉を上げ、昇平に殺害を指示する。マリアと共に遠山宅へ向かう途中、下水道に入った所でマリアは昇平を求める。

 

 マリア会のマリア律法は、山奥の地方の子供達にまで浸透している事がわかります。そこに隔離されている壊れた3人。彼等が正気に戻る事はあるのでしょうか。何かが間違うと誰でも壊れる可能性があります。気を付けたいものです。そして天使殺害に使用する下水道通路は早くもマリアと昇平の逢瀬を行う場となっている様です。地上であれ程警戒していた昇平。地下の監視カメラの可能性を失念するのは気になりますが、欲望と理性の狭間で葛藤する昇平にそこまで求めるのは酷かもしれません。

 

VOL.13:第3の男影山

  あらすじ;4台の装甲機とロケットランチャーで迎えられた遠山の殺害が完了した。残りの天使と共に一報を受けた平山氏は殺し屋を雇う決定をする。翌日マリアのクラスに男子の転入生が来た。影山と紹介され、容姿は端麗、スポーツ万能で早くも女子学生の注目をさらう中、影山はずっとマリアに視線を送り続ける。マリアの取巻き石黒ひとみ氏は天使達が雇った殺し屋の可能性があると影山を呼び出すが、戻って来たのは影山だけであった。

 

 暗殺を迎え撃つ天使の装備も重厚になってきました。小谷氏からの新しい武器、レーザー銃が活躍します。加えて昇平のバリア能力もほぼ戻った様で、マリアと交わり加速度的に能力が戻ってきています。そして新キャラ、影山初登場です。どうやら優秀な様で、マリアを知っている様で、マリアと昇平は警戒し、小谷氏は天使達側の殺し屋と思い、阿南将軍は様子見…と憶測が憶測を呼ぶ回です。

 

VOL.14:ゆれる20天使

  あらすじ;昇平宅の前で佇む影山は天使に雇われた殺し屋の襲撃を受けるが返り討ちにする。その映像は天使達や小谷氏の混乱を招き、阿南将軍は驚きと共に第3の勢力を感じ取る。その間何も知らずに浴槽で交わっていたマリアと昇平であるが、その後昇平はマリアに結婚を申し込み、2人は夫婦となる。一方阿南将軍が調べても影山のデータは見つけられなかった。マリアも影山を問い詰めたが、影山はマリアの味方であると告げるのみであった。

 

 マリア会の誰もが影山を知らなかった事が明らかとなります。原理派と革新派の対応の違いが印象的です。パニックに陥る原理派天使達と影山の情報を集め始める革新派阿南将軍。次々と仲間が殺害され追い詰められている中、平山氏が平静を保つのは困難でしょうが、この様な時にこそ冷静になり情報を集める事の大切さがわかります。とにかく分からないまま話を進める程危険な事はありません。最大のストレスはわからない事だと言うお話を聞いた事があります。

 

VOL.15:筒井暗殺の夜に…

  あらすじ;翌日朝マリアが登校しようとすると、家の前に既に影山が迎えに来ていた。昇平が読んだ影山の心の中はマリアを神とし、守ることのみであった。影山は宣言通りその後ずっと可能な限りマリアの側に付き、見守り続ける。その日の夜昇平はBAR&CAFE蝙蝠を訪れ、次のターゲットの天使は筒井茂子であると指示を受ける。以前と同じく途中の下水道で逢瀬を重ねた後辿り着いた昇平とマリアを筒井茂子は只1人で待ち受けていた。

 

 影山は昇平と初対面を果たし、本格的にマリアの護衛を始めます。昇平は前作シリーズからテレパシーで読んだ人の心をそのまま信じると言う傾向があります。何につけ、鵜呑みにするのは大変危険であると教えてくれます。そして田中氏ことブーちゃんと影山の初絡みがあります。思春期男子のブーちゃんと浮世離れした影山。今後が楽しみです。加えて天使殺害に向かう途中での昇平とマリアの交わりは恒例となり、昇平にどんな能力が増えるかも興味アリです。

 

VOL.16:20天使の敗北

  あらすじ;昇平とマリアに殺される前に自ら頭を撃ち、果てた筒井茂子。一報が伝わった天使達は集まり、自分達が助かる方法を色々提案してみるも手詰まりとなる。その後も小谷の指示により、昇平とマリアは毎回逢瀬を重ねながら次々と天使達を始末して行く。残り少なくなって行く天使達に危機感を感じた平山氏は1人、阿南将軍の元を訪れて命乞いをする。かくして原理派天使達は革新派の軍に敗北することとなった。

 

 筒井茂子は天使の中でも相当気骨のある人だった様です。同じ派閥の中でも人格は様々であると教えられます。人格者の素養がある程、属する組織が間違ってしまうと悲劇的な結果を招く気がします。筒井茂子氏は選択次第によってはなかなかの人物になっていたかもしれませんん。自分の命を賭しても自分を貫き通す筒井茂子氏とは真逆の存在として平山氏は描かれています。命と特権を守る為ならば如何様にも変わる平山氏。…人はどう生きるのが幸せなのでしょうか。

 

VOL.17:阿南将軍の陰謀

  あらすじ;小谷清子氏は空いた時間を利用し、マリア会の生まれた聖地へ足を運ぶ。ボロボロに荒れ果てた聖地BODY BUILDINGの建物の前に佇み、昔を回想する。夜になっていつも通り昇平と待ち合わせているBAR&CAFE蝙蝠の中へ入ると阿南将軍のホログラムが待っていた。遅れて昇平が蝙蝠に入ると小谷氏は息絶えていた。いつの間にか背後にいた影山により、小谷氏は阿南将軍に口封じで殺された事を告げられる。

 

 若かりし頃の小谷氏とあーちゃん事十文字篤彦氏の繋がりが描かれています。人は心の中に強い思いを持っていればどんな事でも出来ると教えられます。志半ばで始末されてしまいましたが、小谷氏のあーちゃんへの一途さは胸に迫るものがあります。一方小谷氏に騙されていたと知った昇平の行動は頂けません。昔も今もマリア会に騙されたと自暴自棄になる昇平。大いなる反面教師として心に刻んでおきたい所です。

 

いけいけジムおやじ:作者徳山氏のジム通いエッセイとなります。ジムでのアクシデントなどが描かれています。